2010-01-01から1年間の記事一覧

延びつづいてゆくのだ、というのも、いままでにあったものとこれから来るはずのものは同じだからだ、次に来る明日とすでにあった明日とはたぶん同じものからだろうからだ。やがて時間になった。(八月の光 -William Faulkner)

2010-10-07-23:54

“いっそ、僕は怠け者で、ずるくて、親に金をせびって生きている、だめな奴なんだと告白したほうが、清々するのではないか。何をやっても永つづきしないし、何をやっても失敗する男だ、と。同級生はみんな就職して一人前になっているのに、一人だけまだ甘った…

急に寒くなる。自販機にはまだ無いだろうから、コンビニで暖かい缶コーヒーでも買って、屋上で朝ごはん。この屋上からは東京タワーの先っぽが見えて、それをこうやって階段上って見に来るようになってしばらく経った。朝の温かいコーヒーはアメリカを思い出…

夕方弟とキャッチボールをしに近くのグラウンドまで自転車で。ここじゃない場所へ行きたいと思うとき、それはいつかまたここへ戻ってきたときに見える同じ風景を、違う風に感じたいからなんだと、思った。僕はアメリカへ戻るのだろうか、そのとき僕は何を見…

何から書き始めてよいのかもわからないままここに戻ってきて約2ヶ月だということに気づかされる。あのころの僕はここにはいないような気がして、でも僕はここでこれから生きていかなくてはいかなくて、そんなことをずっと考えながら2ヶ月が立ったような気…

American Tune

LAXからのグリーンライン。 思えば始まりもこの場所だった。 2人の少年とバスケットボール。 時間を聞かれる。1時52分だと答える。 そしてその瞬間この最後の数日間は写真を撮るまいと心に決めた。 窓からの風景。 どこかへ向かうこと、この場所を去るこ…

Taste of the DrPepper

DrPepperを飲んでいるのには理由があって。 今アートのビルで卒業制作についてのレポート書いてる。 廊下にはいつもとは違う黒人の清掃員。床がやけに光っている。 "I wouldn't walk down here. You see the sign?""Is this wax you workin? I though you we…

最近毎日アートのビルのラボにこもっては2週間後に迫った卒業制作展の写真の準備をしてる。写真の配置、レイアウト。これは考えれば考えるほど抜け出せなく作業で、どこかで踏ん切りをつけないからこうやって毎日同じことを繰り返してしまう。でも卒業制作…

たとえばモンタナの小さなハイウェイ。インターステートのハイウェイを避けて一車線がずっと続くような道を走るとき、そこにもうひとつのアメリカがある。ヴェンダースがロケハンをする際に通るような道と町。

2010-03-27

泣いても笑ってもきっと泣きも笑いもしないそれまでの時間これまでと同じように同じ景色が見えて同じにおいのする一人の部屋僕がここからいなくなることそれまでの時間

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横道世之介

吉田修一の『横道世之介』を読み終えた。彼の長編はほとんど読んでいるけれど、本作が自分にとっての最高傑作になるような気がしてならない。思い入れのある小説や映画の初見のあとに覚えるのは、感動とか清々しさではなくて、(今回は世之介の)作品世界か…

(Dorothea Lange) "Mama, how silly you are! You know I've always been in love with Ben−since I can first remember. I know he is in love with Elsie Stoneman. I am too young, the world too beautiful, and life too sweet to grieve over my first…

"She would of been a good woman if it had been somebody there to shoot her every minute of her life." ― Flannery O'Connor (A Good Man Is Hard to Find and Other Stories)

helpless, helpless, helpless

(Tseng Kwong Chi) いろいろつながる。先生に紹介されたTseng Kwong ChiとTehching Hsieh。特に前者のセルフポートレイト。 風景の中に移り(映り、写り)込む自分。風景としての自分。風景と自分の距離感。手錠のままの脱獄にみるアメリカの描写、マンダレ…

夕方ごろからずっとねてた。おきてからまた寝ようと思ったけれど、今日のクリティークのことが頭から離れない。思い出すと恥ずかしくなる。最初のプロジェクトとして小さな写真集を作った。ロバート・フランク、ウィノグランド、フリードランダーの写真と自…

WILLIAM FAULKNER

ウィリアム・フォークナーの短編小説“TOMORROW”と、それを基にした1972年の映画をみた。"Of course he wasn't," Uncle Gavin said. "The lowly and invincible of the earth−to endure and endure and then endure, tomorrow and tomorrow and tomorrow.…

(Robert Adams) さっきQTまでゆっくり歩いた。自分でもその歩くスピードの遅さに気づくように。自然とうつむいてしまう。伸びる足の影が見えた。he said, "what's up keisuke?" i said, "not much. tired." he said, "i'm tired too." later i said to him, …

i open the door and sit on the couch at the balcony. i look toward the west. i can see the downtown of tulsa and i know that there are many things that i cannot see there. which i know is not because it's raining tonight.

WHEN THE LEVEES BROKE

スパイク・リーが2006年に製作した『When the Levees Broke』というハリケーン・カトリーナのドキュメンタリーをみた。Literature&Film: The U.S. South という授業のために。これは自然災害の脅威を描くドキュメンタリーじゃない、ニューオーリンズとア…

MY OWN LANDSCAPE

(San Francisco, 1956 −Robert Frank) 最後のセメスターの最初の1週間が終わった。僕は今図書館にいて『現代アメリカ写真を読む デモクラシーの眺望』(日高優)という本を読んでいる。夏に日本で買ったものだ。STUDENT DIRECTED PROJECT というアートの授…