桜のない春 vol.3

実は本当に春休みが終わってしまう。とんでもない時間に寝てとんでもない時間に起きるというまあいつもと大して変わりはしないミニマルな生活を送っていたわけだ。同じ場所に留まっていながらも時差ボケを感じられるとしたら、それはちょっとはエキサイティングな経験だったといえるのだろうか。卒業のために124単位必要で、この学期が終わればちょうど100単位をとったことになる。今セメの授業から得られる刺激みたいなのがイマイチだったから次のセメスターの授業スケジュールをすごく楽しみにしてて、この前発表されたそれをみてたんだけど、とりあえず前からとりたかった暗室作業を含む写真のクラスと、映画製作、そしてノワール・ネオノワールの3つは決まった。グラフィックコミュニケーションももしかしたらとるのかも。でも結局、学校に期待するものっていうのは実際に授業で取り扱う内容よりも、それの周辺領域やそこから派生されるものに自分をどれだけ自発的に取り組めさせてくれるかといったようなこのなのだと思う。僕にとって今自分がやっていることはある意味趣味みたいなもんだからそこに「勉強している」という表現は当てはめたくない。もうこの世に勉強なんていう概念や言葉はいらなくても人は人格を形成できる強さを備えているものであってほしかった。自分のやりたいことがわからないというのは至極ありふれた情緒のように思える。そんなモラトリアムさえも愛しく感じることのできる一生のうちのひと時が今なのだとしたら、この宙ぶらりんをいつまでもどこまでも手にぶら下げて歩いていきたい。日本の友人の多くがもうすぐ働き始める。みんな何を感じているんだろう、何を感じていないんだろう。卒業おめでとう。